安易な筋トレで猫背を直すのは危険!!姿勢の知識も必要です

猫背というと昔は単に「背中が丸い」ことを指しました。

ですが、今では背中がまっすぐなのに首(顔)が前に出た”首猫背(顔出し型猫背ともいいます)”

反り腰のような”腰猫背”、肩が前に巻きこんだ”巻き肩(前肩型猫背ともいいます)”

というような猫背も細分化されて、テレビやインターネットなどで言われるようになりましたね。

猫背は見た目が悪いだけでなく、慢性的な肩こりや腰痛、

自律神経失調症から不眠やうつの原因になるなど良いものではありません。

なので、そういう猫背の改善方法も先のメディアではいろいろ紹介されています。

各種姿勢矯正ベルト、筋トレ、ストレッチ、ヨガ教室、太極拳教室(今は「Taichiスタジオ」という名前の教室もあります)、姿勢矯正インナー、などなど。

・・・次から次へと新しいものが紹介されています。

それぞれに根拠があるようなのですが、中には専門知識のない人が安易に始めても効果があまり期待できそうにないものもあります。

例えば、筋トレもその一つです。

以下で詳しく書きます。

 

筋トレが猫背の改善にすすめられる理由

人間の身体が立ちあがったり歩いたりして動く時には、筋肉が働いています。

単にまっすぐ立つためにも体幹部の筋肉が身体を支えています。

ですが、現代人は生活が便利になったことで運動不足になることが多く、

その結果、姿勢をまっすぐに支える筋力も低下して猫背になった、

よって、筋トレで身体をまっすぐに支える筋肉を鍛えて姿勢をよくしよう」

というのが、猫背の改善に筋トレをすすめる理由だと思います。

たしかに高齢者の場合は加齢による”筋肉量不足”は対策しなければいけません。

ですがその一方で、まだ若い世代や中高年のような筋肉そのものはある場合

安易に筋力を強化するとかえって猫背が悪化する危険があります。

 

安易な筋トレが猫背を悪化させる3つの理由

体幹部をまっすぐに支えるのは背中の筋肉というイメージがあると思います。

また、首が前に出ている場合にも後ろ側に引き戻す筋肉の働きが必要そうです。

同じく、巻き肩も肩が前に出ているので、やっぱり肩甲骨を後ろに引くような筋肉を鍛えたら姿勢が改善されそうですよね。

ですが、実際には以下の3つの理由があるため、そう簡単ではありません。

 

1. まっすぐな姿勢が自分でわからない

仮に身体の後ろ側の筋肉を鍛えて、体幹部や首を常にまっすぐ支えられる筋力を持ったとします。

ですが、まっすぐな姿勢が自分でわかっていないと、やりすぎてかえって後ろに反ってしまうことにもなりかねません。

よくある間違った姿勢が、「過度に胸を張ってしまう姿勢」です。

上体がまっすぐを通り越して後ろに反るため、反り腰を助長したり、

前が見えないので無意識に首を前に出すような姿勢になります。

 

2.ずっと猫背でいる筋肉は硬く短縮してのびにくい

同じ姿勢で長期間いると、筋肉はその状態で硬くなります。

猫背の場合は、一般に身体の前側の筋肉が短縮して硬くなっています。

硬いままの筋肉は伸びにくいので、単に後ろ側の筋肉を鍛えて引っ張ろうとしても

身体は猫背の状態を保とうとしてなかなか姿勢がかわらない可能性が高いです。

よって、一度硬さをほぐして伸ばしてあげる必要があります。

3.筋肉に対する専門知識が必要

 

 

例えば、身体の後ろ側である背中の筋肉にもいくつか種類があります。

脊柱起立筋、広背筋、僧帽筋などです。

その中で広背筋は骨盤から始まって、上腕部の内側について終わります。

そのため、広背筋を強く働かせると同時に腕が内側に巻き込まれ、

肩も巻き込んだ「巻き肩」の猫背が強化する状態も起こりえます。

また、首(顔)が前に出た状態を直そうと首の後ろ側の筋肉を鍛えたとします。

ですが首が前に出ている人は、まっすぐ前を見るために顎が前に出て、

後頭部の付け根の筋肉がつまっていることが多いです。

その状態で首を後ろにひっぱっても、一緒にあごが上がってしまって

なかなか正しい姿勢にはなってくれません。

そういった、筋肉の種類と働きに対する専門知識がないままに、

安易に背中側の筋を鍛えることは猫背を悪化させる危険があるわけです。

 

猫背を改善するためにはストレッチがおススメ

 

以上のような理由から、安易な筋トレをするよりは

まず初めにストレッチで無理なく短縮した筋肉を伸ばすことをおススメします。

ストレッチの中でも反動を使わずに、同じポーズを静かに維持する静的ストレッチですね。

(ヨガや太極拳も静かに身体をのびやかにするので同様におススメです)

 

 

そうして、短縮して硬くなった身体の前側や後頭部付近の筋肉などを伸ばしたら、

鏡でマメに自分の姿勢をチェックし、まっすぐな姿勢をとるクセをつけていきましょう。

 

 

まとめ

猫背は見た目が良くないだけでなく、肩こり・腰痛、不眠など様々な身体の不調の原因にもなります。

そのため、いろいろな改善方法があるわけですが、

猫背になっている身体の仕組みについてよく知らずに安易な筋トレなどをしても、

かえって猫背が悪化する危険があるためあまりよくありません。

それよりも、ストレッチなどで猫背で固まっている身体の筋肉を伸ばし、

さらに良い姿勢のクセをつけるようにした方が安全です。

もしも自分だけではちゃんと良い姿勢ができてるかよくわからない

という場合には、お近くの姿勢専門の治療院に相談したり、

姿勢に関する健康教室をのぞいてみるのもおススメです!

 

 

 

投稿者

四方田 春義(よもだ はるよし)

一般社団法人日本施術マイスター養成協会認定猫背矯正マイスター®

『美しい姿勢スペシャリスト』認定講座講師ディレクター

太極拳整体創始者、立身堂整骨院院長