膝痛とひとことで言っても、原因は様々です。
例をあげると、膝の関節自体が変形したことにより起こる変形性膝関節症や外傷による半月板損傷や靭帯断裂などがあります。
そんな中、膝自体が変形したり損傷したりしていないのに、膝に痛みが出る方がいらっしゃいます。
つまり、膝のお皿の前方が痛いのです。
そういう方は、膝が屈曲していて(膝を曲げた状態)で、膝をしっかり伸ばすことができない状態で日常生活を送っています。
この膝が伸びきらない状態というのは・・・・・
実は、ある太ももの筋肉が原因で起きているんです。
その太ももの筋肉とは・・・・・
『ハムストリング』
膝前方の痛みの原因はハムストリング、その理由は?
そもそもハムストリングとは、
太ももの裏の筋肉の総称で、大腿二頭筋(だいたいにとうきん)・半腱様筋(はんけんようきん)・半膜様筋(はんまくようきん)を合わせたものを言います。
これらの筋肉の総称なので、
ハムストリングスとも言われます。
ハムストリングは大きくパワーのある筋肉なので、鍛えると瞬発力や走る力がアップします。
ただ・・・・・
その反面、具合が悪いと身体への悪影響が顕著に出てくるんです。
ここで、ハムストリングの作用について見ていきましょう。
ハムストリングの働きには膝の屈曲があります。
膝の屈曲とは、膝を曲げて踵をお尻につけるようにする動作になります。
膝痛の話に戻りますが、お皿の前方が痛い場合には膝が屈曲しています。
膝が伸び切らずに屈曲しているということは、ハムストリングが縮こまって短縮してしまっているということです。
膝が屈曲しているかどうかは、仰向けで寝た際に膝裏が床に着くかどうかで判断できます。
膝裏が床に着かずに拳1個分ほど浮いていれば、膝が屈曲位にあると言えます。
でも、なぜ太ももの裏の筋肉が短縮することで膝のお皿前方が痛くなるのでしょう・・・
太ももの裏の筋肉であるハムストリングと膝痛の関係とは!?
それは、重力が膝のどの部分にかかるかで決まってきます。
イメージしやすいように、ハムストリングが縮こまって短縮し膝が曲がってしまっている方とそうでない方の姿勢を見てみましょう。
左側を見るとおわかりのように、屈曲した膝のバランスを取ろうと上体がまるくなり猫背になっています。
この時、頭・背中・腰と来た重力が膝のどこにかかってくるのかと言いますと・・・・
膝の前方、つまり膝のお皿の前にかかってくるんです。
膝から上の重みが膝の前方に集中して乗っかってしまったらお皿が痛くなるのは、画像からも想像がつくのではないでしょうか。
これが毎日続くとなると膝への負担は計り知れません!!
とはいえ、なんとか膝痛から解放されたいですよね!
でも、どうしたらいいのか・・・・・
そこで、今回は実際に患者様に効果のあった解決法を姿勢の専門家の立場からお伝え致します。
とても簡単なので、すぐにでも取り組めるかと思います。
膝のお皿前方の痛みを改善!!その簡単な方法とは!?
お皿の前方の痛みを取り除くには・・・・・
先ほどの画像からもおわかりのように、膝の前方にズシッとのしかかった重力を解放してあげなければなりません。
つまり、屈曲した膝を伸ばしてあげる必要があるということです。
膝が伸びてくれば、膝前方にかかっていた重心が膝全体に分散されます。
※下図の右側参照
すると、膝への負担が軽減されるので痛みも解消してくるというわけです。
屈曲した膝を伸ばすには、屈曲位を作ってしまった張本人である”ハムストリングのストレッチ”が有効です。
【ハムストリングのストレッチ】
①椅子に座る
※両足が床に着くサイズの椅子を用意
両足が床につかないと、ストレッチ時にバランスを崩してしまいます。
②片脚を前に出す。
※この時、前に出した脚の膝は曲げないこと。
③上体を前に曲げる
※背中を丸めるのではなく、背筋は伸ばしたまま股関節から上体を曲げていきます。
背中を丸めてしまうと、ストレッチ効果が半減してしまいます。
④以上を左右それぞれ30秒ずつストレッチ。
※勢いよく反動をつけずに行います。(怪我の原因になります)
太ももの裏の筋肉が伸びている感覚があれば十分です。
元々の膝の曲がり具合にもよりますが、毎日しっかりと行っていけば膝は伸びてきますよ。
目安は、仰向けに寝て膝が床に着くことです。
まとめ
膝屈曲位で痛みがあると、どうしても動くのが嫌になってしまいます。
また、この状態で日常生活を続けていくと変形性膝関節症やO脚などの原因になり、さらに日常生活に悪影響です。
毎日の簡単なストレッチだけで、このようなリスクが減らせるのであれば嬉しいでよすね!
投稿者
川崎 玄輝(かわさき げんき)
一般社団法人日本施術マイスター養成協会認定猫背矯正マイスター®
『美しい姿勢スペシャリスト』認定講座講師
『姿勢であなたも変われる!』
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