お尻の真ん中あたりから太ももの裏、
ふくらはぎにかけての痛みは坐骨神経痛かもしれません。
ひどい場合には、足先まで痛みが走ることもあります。
坐骨神経痛は、重だるい痛みだったり、
キューンとつるような感覚の痛みがあったりするのが特徴です。
座っている時も立っている時でも辛く、日常生活に支障が出てしまう場合もあるほどです。
実は・・・
治療家であるわたし自身も、10年以上ひどい坐骨神経痛に悩まされた1人なのです。
先ほどご紹介した坐骨神経痛の症状全て、わたし自身が経験しているものなのです。
できるだけ早く緩和したいが為に、マッサージを受けにいったり、
鍼を打って治療してもらったりもしてきました。
でも・・・
わたしには、両方とも効果がみられず、坐骨神経痛の緩和にはいたらなかったのです!
そんな中、長年わたしを苦しめてきた坐骨神経痛が、緩和できた唯一の方法があります。
わたしと同じように、少しでも坐骨神経痛で苦しんでいる方のお役に立てれば嬉しいです。
今回はその方法についてご紹介させてくださいね。
もちろん、その方法は、高額の治療を受けるでも、面倒な事をやるでも無いので、
安心して読み進めてください。
自宅にいながら、簡単にできる方法ですので。
先に結論になりますが・・・
10年間ひどい坐骨神経痛に苦しんだわたしが、痛みを緩和するためにおこなったこと。
それは・・・
『ストレッチ』
わたしがおこなってきたストレッチは色々あるのですが、
その中でもわたしにとって、特に効果的だったものを3つご紹介させてくださいね。
その前に、
坐骨神経痛とは何なのか?
坐骨神経痛は、なぜ起こるのか?
この2つについて説明させてください。
先にこの2つについての理解を深めていただいた方が、
ご自身の痛みが坐骨神経痛なのかを判断できるからです。
坐骨神経痛とは何?
坐骨神経痛は、お尻から脚にかけて起こる痛みの総称です。
腰部から出て、お尻の筋肉を通り足先にかけて走る神経に痛みを伴うものです。
症状には、こういったものがあります。
坐骨神経痛の主な症状とは?
1.お尻から下肢にかけて痛みがある
2.長い時間立っている事が辛い
3.腰を反らすと下肢に痛みやしびれを感じる事がある
4.お尻の痛みが強く、座り続ける事が困難
5.歩くと下肢に痛みが出るため歩けなくなるが、休むと歩く事が出来る
6.体をかがめると痛みが強くなる
このような状態が1つでもある場合は、通院すると坐骨神経痛と診断されるようです。
坐骨神経痛はなぜ起こるのか?
よく言われている坐骨神経痛を引き起こす原因は様々ですが、
主な原因として『腰椎疾患』があげられます。
特に多い病名は「腰部脊柱管狭窄症」(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)と
「腰椎椎間板ヘルニア」(ようついついかんばんヘルニア)です。
ただ・・・
ひどい坐骨神経痛を改善してきたわたし個人の経験として、
腰椎疾患をさらに深く見ていくと『骨盤』が大きく関与していると考えています。
なぜなら、もともと高校生時代に『腰椎椎間板ヘルニア』と診断されたわたしですが、
『腰椎』ではなく『骨盤』を整えていくことで、坐骨神経痛が改善していったからなのです。
なぜ、『骨盤』が坐骨神経痛の原因に大きく関わっているのか?
これから、詳しく説明していきますね。
腰椎疾患は骨盤が原因?!
そもそも、先ほどご紹介しました坐骨神経痛の原因とされる腰椎疾患の代表例である「腰部脊柱管狭窄症」(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)と「腰椎椎間板ヘルニア」(ようついついかんばんヘルニア)ですが・・・
実は、患部である腰椎ではなく、骨盤の歪みが発端だったとしたらどうでしょうか?
『腰部脊柱管狭窄症』を例にあげて説明してみます。
1.腸腰筋、大腿四頭筋、脊柱起立筋が短縮する。
*腸腰筋(下画像参照)
*大腿四頭筋(下画像参照)
この3つの筋肉が短縮すると、骨盤が前に傾いてしまいます。
この状態を骨盤前傾と言います。
*脊柱起立筋は、背中の両サイドを頚部から骨盤にかけて縦に走る筋肉です。
2.骨盤が前傾する。
骨盤前傾とは、言い換えると反り腰になることです。
骨盤が前傾すると、そのままでは骨盤から頭にかけてが、前に倒れてしまいます。
そうならないように、状態を起こすには反り腰になる必要があるわけです。
3.多裂筋、回旋筋が短縮する。
反り腰の状態で常に生活をしていると、腰回りの筋肉がガチガチに固まってしまいます。
ここで問題になるのが、多裂筋と回旋筋がガチガチに固まることです!
多裂筋と回旋筋は、
上部脊椎と下部脊椎をつなぐ、姿勢を維持するためにとても大切な筋肉です。
でも、この筋肉が短縮してしまうと、さらに反り腰が悪化してしまうのです。
4.腰椎間が詰まる。
多裂筋と回旋筋は、上部脊椎と下部脊椎をつなぐ筋肉だと説明しました。
この筋肉が短縮するという事は、上部腰椎と下部腰椎の間が狭くなり詰まってしまいます。
5.脊柱管の空間が狭くなる。
多裂筋と回旋筋の短縮で、腰椎間が詰まると、
当然、脊椎の中にある脊柱管の空間も狭くなってしまいます。
6.脊髄を圧迫する。
脊柱管の空間が狭く悪化してしまうと、この中を走っている脊髄神経も圧迫されるようになります。
7.坐骨神経痛が起こる。
脊髄神経は、腰部からは下肢に向かって走る末梢神経へと枝分かれしていきます。
この時に、末梢神経が圧迫されていれば痛みを伴っていきます。
これが坐骨神経痛の正体です。
それでは、最後に10年以上坐骨神経痛で苦しんできたわたしが、改善してきたストレッチをご紹介しますね。
坐骨神経痛の緩和に効果的な3つの簡単ストレッチとは?
先ほどの腰部脊柱管狭窄症の原因にもなっていた
骨盤前傾位を正しい位置に戻してあげることが重要なポイントになってきます。
なぜなら、骨盤前傾位で反り腰になることが、神経を圧迫してしまうことに繋がるからです!
だから、坐骨神経痛の緩和には、骨盤を理想的な位置に持っていくことは欠かせません。
腸腰筋、大腿四頭筋のストレッチ
腸腰筋や大腿四頭筋が短縮することで、
骨盤前傾位を作ってしまうという事は、先ほどの説明した通りですね。
という事は、腸腰筋や大腿四頭筋の短縮を、ストレッチでしっかりと緩めてあげれば、
骨盤前傾位も改善してきますよ!
①右足を大きく前に出し左膝を床につけた状態で、上体は真っ直ぐな姿勢で準備する。
②上体を真っ直ぐにしたまま、前に体重移動させる。
③左側の太ももの前側から股関節が伸びているのを感じた状態で、10秒キープする。
④反対側も同様に行う。
動画でもお伝えしているので、あわせてご覧ください。
大臀筋、梨状筋のストレッチ
腸腰筋や大腿四頭筋のストレッチで骨盤を正しい位置に持っていくことで、
坐骨神経痛は緩和していきます。
ただ、お尻のあたりに痛みが残ることも多いです。
腰椎から足に向かっている坐骨神経は、その途中でお尻の中を通過していきます。
お尻の筋肉の中の大臀筋や梨状筋がガチガチに固まってしまっていた場合、
ここを通過する坐骨神経が圧迫されるわけです。
神経が圧迫されれば、坐骨神経痛として痛みが出てしまうわけです。
だから、今からご紹介するストレッチで、しっかりとお尻の筋肉を緩めてあげましょうね。
- あぐらをかくように右足を左の太ももの上に乗せる。
- 右前腕部分(赤丸部分あたり)を右脚太ももの内側に乗せる。
- 右太もも内側に乗せた右前腕部分に対して垂直体重をのせていく。
- お尻がストレッチされているのを感じたポイントで10秒キープする。
- 反対側も同様におこなう。
ハムストリングのストレッチ
坐骨神経痛の方に多いのは、太ももの裏の筋肉に痛みが出ることです。
これは、お尻を通過した坐骨神経は太ももの裏を通過して足先に向かうからなのです。
もし、太ももの裏の筋肉が短縮してしまえば、神経を圧迫しますから
太ももの裏に痛みが出るわけです。
太ももの裏の筋肉であるハムストリングをしっかりとストレッチしていくことで、
少しずつ痛みも緩和してきますよ。
それでは、一緒におこなってみましょう!
①イスに浅く座る。
②左足を前に出す。
*膝が出来るだけ曲がらないように。
③上体を前に倒す。
*背中を出来るだけまっすぐにした状態で、股関節から前傾させること。
④太ももの裏がストレッチされているのを感じながら10秒キープする。
⑤右側も同様におこなう。
3分ほどの動画でも説明しましたので、ご覧ください。
*ハムストリングとは?
大腿二頭筋(長頭・短頭)と半腱様筋と半膜様筋をあわせた太ももの裏の筋肉の総称です。
以上の理由から、
坐骨神経痛を改善していくには、ストレッチが効果的なのですよ。
まとめ
経験者しか分からないことではありますが、坐骨神経痛は本当に辛いです!
今回は、10年以上坐骨神経痛で苦しんできた
わたし自身がおこなって効果的だったストレッチを3つご紹介させていただきました。
このストレッチをおこなっていただいて、
少しでも痛みから解放される方が増えてくれると嬉しいです。
中には、ご紹介したストレッチが上手くできない方もいらっしゃるかと思います。
こちらの姿勢のワークショップで直接指導しますので、参加してみてくださいね。
https://jmtta.org/beautiful-posture/
投稿者
川﨑 玄輝(かわさき げんき)
一般社団法人日本施術マイスター養成協会認定猫背矯正マイスター®
『美しい姿勢スペシャリスト』認定講座講師