爽やかな笑顔に隠された、九州男児の熱い思いとは・・・。日本施術マイスター養成協会認定講師であり、埼玉県所沢市の菜のはな整骨院院長 上野拓也先生にインタビューしました。
ー上野先生はこの業界に入って今何年くらいですか?
上野先生:そうですね。もう15, 6年くらいは経ちますね。
ー何か、入ったきっかけはあるのですか?
上野先生:はい。高校の時にハンドボールをやってまして、そこでケガをして。それで最初は整形外科とか行ったのですが、最終的には接骨院の先生に治してもらったっていう印象が強かったのです。僕自身が、ケガを治してみんなの笑顔が見たいなという想いもあり、それでこの業界に入りました。
上京してからの様々な苦労が今の自分をつくった
ー確か上野先生って鹿児島でしたよね。高校まで鹿児島?
上野先生:はい。卒業して上京しました。
ーそれは結構勇気がいったのではないですか。
上野先生:そうですね。まず言葉も違うのもありましたし、親元を離れるというのもありました。いろいろ不安はあったのですが、やっぱり東京の方がいろんな情報が集まるのではないか、と。それで、僕の時代はまだそんなに学校もなかったので、東京でしっかりと修行を積んでいくのがベストなんじゃないかなということと、どっかで親に甘えてる部分っていうのがありましたので、そこを1回断ち切ろうと思って上京しました。
ー高校時代からそこまで考えて、すごいですねえ。
上野先生:(笑)いえいえ、とんでもないですけど。
ー上京してから悩みもいろいろあったんじゃないですか。
上野先生:そうですねえ。そんなに裕福な家庭でもなかったのでお金に関してシビアだった時もありますね。なので、学校に入ってすぐ修行っていう形でやりました。最初は5万円しかもらえないような・・・もう本当昔ながらの接骨院だったので。1日おにぎり1個をお昼と夜で分けて食べるとか。インスタントラーメンを半分に分ける、とかいう生活はしたことありましたね。(笑)
治療時にはロジカルでわかりやすい説明を心掛けているという
ー逆にそういう苦労を経験しているからこそ、今の上野先生があるかもしれないですね。貴重な存在ですね。
上野先生:はい。(笑)いや、そんなことないです。
整形外科リハビリ室長として
ー開業するまではどんな過程でしたか。ずっと同じ修行先に?
上野先生:そうですね。最初、学生の頃居たところがコテコテの昔ながらの先生で。その先生の紹介で1回千葉の接骨院で働いているんです。で、そこの先生が整形でバリバリに骨折を治療したりだとか、当時のAKAだとか、そういう技術をとてもよく習得された方がいまして。その方と今度は地元の整形外科で一緒に働くことになったんです。その後その先輩が海外に行くという事になって、後を引き継いでリハビリ室長として10年間勤務させて頂くことになったのです。
患者さんと向き合うコミュニケーションを大切に
ーでは、そのリハビリ室長をやられた後に開業されたんですね。いつでしたっけ。
上野先生:平成26年の11月11日ですね。
ー11月11日なんですね。
上野先生:はい。ポッキーの日なんですよ。ポッキー、ポキポキ。骨がポキポキという意味で。(笑)
ーあんまり縁起よくないじゃないですか、それは。(笑)
上野先生:そうですね。矯正の音ということで。(笑)
ー整形外科を経験されてからの開業は、結構大変だったんじゃないですか。何が一番大変でしたか?
上野先生:そうですねえ。まずはビジネスとしての考え方ですね。今まで整形外科では治療しかやってこなかったので、マーケティングや集客の方法だったりとかで悩んだのです。
整形外科にいたときは、治療する時間が短かったり、治療も全身というよりは患部のみという考えが強くて、どちらかというと患者様目線ではなかったのかなという部分でのギャップを感じました。
ー整形外科との違いですね?
上野先生:そうですね。どちらかというと、「こういうデータ、こういうレントゲンの結果が出ていますからこうなんですよ」という判断が多かったのと、保険の点数だとか、売り上げの考え方とか、最初はすごく苦労しましたね。
ーなるほど。今、開業されて3年目ですよね。どんな患者様が多いですか?
上野先生:この時期、お子さんの外傷での来院もありますけど、どちらかというと自費というか、全身治療という形でやらせていただいてますね。
あえて故郷の鹿児島を離れる道を選び、上京16年。ご自身の夢とは。。。
ー最後に。上野先生は最終的に地域貢献というのをすごく考えておられる先生だと思うんですね。そういう意味で、今後、どういう院を作っていきたいという、ご自身の夢をお話しいただけますか?
上野先生:院や治療のコンセプト。こういう業界でやってきていろいろ変わってはきているのですけど、今思っているのは、やはり身体の痛みだけではなくて、コンプレックスやストレスからの痛みを取り除きたいということです。このような想いで治療をさせていただいています。
また協会認定のセミナー講師として活躍していきたいと思います。自分が経験したもの、習ったことを治療家の皆さんにシェアできる環境をどんどん作っていく。私が教えることによって患者様を笑顔にしたり、希望を持たせる治療家を増やしていく。
そして業界のマイスターというもののお手本になる。
そもそも「マイスター」と言っても、誰のマイスターでないといけないかというと、僕は最終的にはやっぱり子どもじゃないかなと思うのです。子ども達の見本になるような社会人でありたいなと思っています。
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上野 拓也(うえの たくや)
整形外科リハビリ室長として10年勤務。
医師や理学療法士などと交流を重ね2014年に整骨院開院。
豊富な人脈と行動力で、一人整骨院にも関わらず、
わずか2年で月商200万円治療院を構築。
また業界の縦横のつながりの強化のため、
医師を招いての医接・医鍼連携セミナーを企画・開催、
一般社団法人日本施術マイスター養成協会内での定期勉強会講師、
猫背矯正のエビデンス化などに尽力している。