首猫背はリスク以外にパフォーマンス向上効果もあった?!

 

テレビの健康番組などで「日本人の9割は猫背」

といってるのを聞くことがあります。

 

多少オーバーに感じなくはありませんが、電車やバスで移動中

周りを見回してみると確かに良い姿勢の人は少ないようです。

 

単純に「猫背」というと「背中が丸い」といったイメージがあるのですが

猫背(不良姿勢)になっている身体の部位によって

「首猫背」や「腰猫背」という分類があります。

 

以下で「首猫背」について詳しく書きます。

 

 

 

 

首猫背は顔が前に出た猫背

 

 

出典:一般社団法人 日本施術マイスター養成協会)

 

首猫背とは、顔が前に出た猫背のことで「顔出し型猫背」という呼び方もあります。

 また、「スマホ首(スマホっ首)」という人もいますね。

 

首の骨(頸椎といいます)は、

もともと前方に向けてゆるいカーブ(前弯といいます)を描いています。

 

 

ですが、顔が前にでるような不良姿勢が長期間続くうちに

その頸椎のカーブが通常より増したり(過前弯といいます)

逆にカーブがなくなってきて(後弯といいます)

頸椎がまっすぐになった「ストレートネック」になってしまうのです。

 

いずれにせよ、頸椎や首周りの筋肉などに過度の負担がかかり続けるために疲労が蓄積し

だんだん凝り固まってくるリスクがあります。

 

普段から姿勢に気を付けて 背中をまっすぐにしている人でも

この首猫背になっている事がありますが、

顔の位置って自分ではわかりにくいからでしょうね。

 

 

 

 

首猫背によっておこる弊害

 

 

首猫背の人が、常に首周りに過度の負担がかかり続けることは

先ほども書きました。

 

そうしてガチガチに凝り固まった頸椎や首の筋肉は

以下のような身体の不調の原因となりやすいです。

 

 

・首・肩のコリ

・頭痛

・寝違え

・不眠(自律神経の乱れ)

・頚椎症(手のしびれなど)

・見た目が実年齢より老けて見える

 

 

首・肩のコリについては

ストレートなのでイメージしやすいですよね。

 

逆に頭痛や不眠はピンとこないかもしれません。

 

身体と頭を結んでいるのは首なのですが

首の筋肉が固く凝り固まっていると

その隙間を通る血管も影響を受けて脳への血流が悪くなります。

 

その結果、酸欠や栄養不足になって頭痛がおきます。

 

 

また、寝違えは朝起きて”突然”なっているものですが

実際には発症するまでに少しずつ疲労が蓄積しそれが限界を越えた時におきるものなのです。

 

 

また、首猫背は後頭部と首の後ろ側も通常よりも狭くつまってきます。

 

 

すると後頭部にある自律神経の中枢(間脳といいます)

が影響を受けて自律神経の働きが乱れます。

 

その結果、睡眠リズムも乱れて不眠の原因となります。

 

また、ストレートネックなどで頸椎のカーブが変化すると

「頚椎症」といって首から手へ行く神経が圧迫されて

手のしびれなどの原因となります。

 

最後に、猫背の弊害として「見た目が老けて見える」ですが

これは特に説明の必要はないですよね・・・

 

 

 

 

首猫背は悪いことばかりではない?

 

さて、上記のように首猫背には様々な不調のリスクがあります。

よって、早めに改善したいものですが本当に悪いことばかりでしょうか?

 

実は、悪いことばかりではないのです。

 

それは何かといいますと、

仕事や作業に集中している時のパフォーマンスの向上です!

 

例えば

仕事でパソコンに集中している時

スマホ動画を集中して見ている時

刺繍など細かい作業に集中している時

無意識に猫背になってないでしょうか?

 

そして、そういう時は良い姿勢でやるよりも

猫背でいた方がより没頭できて集中できた!

という経験がおありかと思います。

 

 

これは、人間の本能的な部分での強みが発揮されているとも考えられます。

 

よって

何かに集中するときは

むしろ猫背の方がメリットがあると言う事ができるのです。

 

ですが、首猫背は身体の不調のリスクがありましたよね?

 

そこで大事な事は、

「普段から自分の姿勢をコントロールできること」

と、いうことになります。

 

つまり

普段は良い姿勢でいて、何かに集中するときは猫背でパフォーマンスアップ!

終わったらまた元の良い姿勢に戻る

という風にできればよいのです。

 

 

 

 

首猫背を改善する時の3原則

 

首猫背に限らず、猫背を直す方法はいろいろありますね。

 

・筋トレ

・姿勢矯正ベルト

・ストレッチ

・インソール

・補正下着

・姿勢矯正用インナー

・整体を受ける

 

など・・・果たしてどの方法がいいのか?

どれを選んだらよいのかわからないかもしれません。

 

 

ですが、大事な3原則を知っていれば選び方は簡単です。

 

【猫背をなおす3原則】

1、固くなった筋肉を動くようにする

2、正しい身体の使い方を習得する

3、正しい姿勢を意識する(身体で記憶する)

 

 

3原則から先ほどのいろいろな猫背を直す方法を見てみましょう。

 

 

まず、筋トレでは固くなった筋肉は固いままですよね。

 

 

姿勢矯正ベルトは、ベルトの力で無理やり筋肉を伸ばしてはくれますが

身体への強制力も強いので苦痛も強く

身体で正しい姿勢を記憶するまで継続することは難しいです。

 

 

インソールや補正下着、インナーといった類も

身体の使い方や「ここがまっすぐ(正しい姿勢)

というものを身に着けられるかどうか疑問です。

 

 

結論からいうと、ストレッチで固くなった筋肉を伸ばし

鏡などで自分の姿勢や動作をチェックする方法がおススメです。

 

 

勿論、整体を受けることも同様ですが、比較的コストが(継続して)かかるため

「どうしても自分一人ではうまく猫背がなおせない」

という場合に利用してみるとよいでしょう。

 

 

そうして良い姿勢がとれるようになってから

良い状態を維持するために姿勢矯正ベルトやインナーを使う

という利用方法も「あり」ではありますね。

 

 

なお、具体的なストレッチの方法については以下のリンク先の記事もお読みください。

(首猫背のチェックリストも載っています。)

 

参考:首猫背(顔出し型猫背)のチェックと改善ストレッチについて

https://jmtta.org/blog/4759/

 

 

 

まとめ

 

日本人で猫背に悩む人は多く

今は身体の部位による猫背の分類もあります。

 

特に首猫背は無意識になりがちで

長期間その姿勢が続くと不調の原因となるリスクもあります。

 

ですが、実はリスクだけでなく

仕事のパフォーマンスを向上する、というメリットもあったのです。

 

ある意味、「いいとこどり」みたいな感じですが

その為に普段から良い姿勢をとれるようにしておきましょう。

 

 

投稿者

四方田 春義(よもだ はるよし)

一般社団法人日本施術マイスター養成協会認定猫背矯正マイスター®

『美しい姿勢スペシャリスト』認定講座講師ディレクター

太極拳整体創始者、立身堂整骨院院長