廃用症候群の症状って?予防からできる将来のための健康法

 

皆さんは、寝たきりで起こる『廃用症候群』という症状をご存知でしょうか?

 

 

廃用症候群とは

・長期間にわたって寝たきりの状態が続くことで

・気づかないうちに運動機能が低下し

思うように自分で動くことが出来なくなることを言います。

 

 

また、運動機能だけでなく、ほかの体調不良を引き起こしてしまう特徴があります。

 

 

廃用症候群には、いろいろな症状がありますが

この状態から健康へ導くのは容易ではありません。

 

 

ですから、寝たきりにならないことが、とても大切になります。

寝たきりになる前に、しっかりと予防しておく必要があるわけですね。

 

 

今回は

廃用症候群とはどういった症状なのかということと

将来健康に過ごせるように予防から寝たきりにさせないための唯一の方法

についてご紹介します。

 

 

まず、結論になりますが、予防から寝たきりにさせない唯一の方法とは何だと思いますか?

寝たきりにさせない唯一の方法とは・・・

 

 

 

『正しい姿勢を視覚的に意識させておくこと!』

 

 

 

ポイントは『視覚的に』です!!

 

 

廃用症候群にならないためにとても大切なのですが、これから詳しく説明しますね。

 

 

 

その前に、廃用症候群って?

そう感じている方も多いかと思いますので、まずはどういった症状なのか見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

廃用症候群の症状とは

 

 

 

 

廃用症候群とは、先ほどもお伝えしたように

病気やケガなどで長期間にわたって寝たきりが続くことにより

運動機能が大幅に低下することです。

 

 

私は、普段、老人ホームにて高齢者の施術をしていますが

廃用症候群の進行は、想像以上に早いです。

 

 

そして高齢者ほど、顕著に現れると感じています。

 

 

寝たきりで絶対安静が1週間続いた場合

10〜15%もの筋力低下がみられるとも言われるくらいです。

 

 

では、廃用症候群の症状の種類には、どういったものがあるのか見ていきましょう。

 

 

今回は、『健康長寿ネット』というサイトに詳しく症状が記載されていますので

こちらを参照させていただきます。

 

 

*参照:健康長寿ネット

 

 

 

 

 

【廃用症候群の症状の種類】

 

筋萎縮・・・筋肉がやせおとろえる

 

関節拘縮・・・関節の動きが悪くなる

 

骨萎縮・・・骨がもろくなる

 

心機能低下・・・心拍出量が低下する

 

起立性低血圧・・・急に立ち上がるとふらつく

 

誤嚥性肺炎・・・唾液や食べ物が誤って肺に入り起きる肺炎

 

血栓塞栓症・・・血管に血のかたまりがつまる

 

うつ状態・・・精神的に落ち込む

 

せん妄・・・軽度の意識混濁のうえに目には見えないものが見えたり、混乱した言葉づかいや行動を行う

 

見当識障害・・・今はいつなのか、場所がどこなのかわからない

 

圧迫性末梢神経障害・・・寝ていることにより神経が圧迫され、麻痺がおきる

 

逆流性食道炎・・・胃から内容物が食道に逆流し、炎症がおきる

 

尿路結石・尿路感染症・・・腎臓、尿管、膀胱に石ができる、細菌による感染がおきる

 

褥瘡(じょくそう)・・・床ずれといわれる皮膚の傷

 

 

このように記載されています。

もしかすると、初めて聞いた言葉もあるかもしれませんね。

 

 

私が、普段、高齢の方々と接して感じるのは

初期の段階で『筋萎縮』『関節拘縮』が顕著に現れてくるということです。

 

 

こうなってくると、自分で座位や立位を取ることも難しくなってきます。

 

 

そうならないために、寝たきりになった場合には

筋力訓練を行ったり関節運動を積極的に行うことが大切になってくるわけですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寝たきりになる前から姿勢を意識させる重要性!

 

寝たきりになった場合には、筋力低下や関節が固くならないように

筋力訓練や関節運動を行う必要があるとお伝えしました。

 

 

でも、そもそも寝たきりにならないための予防の方が、とても重要なのです。

寝たきりになってしまうと廃用症候群になり、そこからの回復が容易ではないからです。

 

 

その予防とは、最初にお伝えしたこちらです。

 

 

正しい姿勢を視覚的に意識させておくこと!

 

 

ポイントは、『視覚的に』です!

 

 

 

実はこの予防を行なうことで

寝たきりだった方が座位や立位を取れるまで回復しています。

 

 

なぜ、前もって姿勢を意識させることが大切なのか?

 

 

今回は、この回復された方の例を挙げて説明していきますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おばあちゃんが寝たきり状態から回復できた理由とは?

 

8年ほど前から、私が老人ホームで施術をしている89歳のおばあちゃんがいらっしゃいます。

 

 

もともと脳梗塞の後遺症はあるのですが、寝たきりになるまでは

一緒に歩行訓練も行えていた元気な関西弁を話すおばあちゃんでした。

 

 

そんなおばあちゃんが、肺炎のため入院されました。

入院期間はベッドから全く動けない寝たきり状態で3週間です。

 

 

先ほど、1週間寝たきりだと10〜15%の筋力低下があるとお伝えしました。

その3倍となりますから、筋力低下は著しいわけです。

 

 

3週間後無事に退院されましたが

やはり筋力低下で体重も10kgほど落ちてしまっていました。

 

 

退院時はご自身で起き上がることも出来なかったほどです。

うつ状態で精神的にも落ち込み、ほとんど会話もされませんでした。

 

 

そんなおばあちゃんでしたが・・・

 

 

3日後には自分で座位が保持できるようになりました。

1週間後には自分で立位が保持できるようになり

2週間後には関西弁で元気に会話できるまでに回復してくれました。

 

 

ここまで回復するのに、ご本人に意識していただいたのは『姿勢』です。

 

 

シンプルに『姿勢』の意識だけを行なっていただいたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正しい姿勢は『視覚的に』整えることが大切

 

私が、このおばあちゃんに『姿勢』を意識させたのは、実は退院後だけの話ではありません。

 

 

入院するずっと前の施術を開始した8年前から『姿勢』をずっと意識させてきました

 

 

座位を保持する時も、立位を保持する時も、常に正しい姿勢を意識してきました。

しかも、ポイントはもう1つあります。

 

 

鏡を見て、姿勢を意識させてきたことです。

鏡を見ないと、正しい姿勢がなんとなくの感覚になり定着しません。

 

 

でも、鏡を見て『視覚的に』姿勢を意識していくと

そのうち正しい姿勢が習慣化されて定着します。

 

 

なんとなくの感覚は嘘をつきますが

視覚的な情報はしっかり脳にインプットされていくわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜ正しい姿勢が廃用症候群から回復させたのか?

 

正しい姿勢は、鏡を見て視覚的に整えることは大切だと理解できたかと思います。

では、なぜ正しい姿勢の習慣が、寝たきりからの廃用症候群を回避できたのでしょうか?

 

 

これから解説していきますね。

 

 

①脳が無意識に姿勢を意識できていた

 

 

 

ご紹介したおばあちゃんは、3週間絶対安静で寝たきりでした。

しかも、筋力低下が著しかったわけです。

 

 

それにも関わらず、退院して3日後には座位保持が可能になりました。

さらに1週間後には、立位保持ができるまで回復しました。

 

 

筋力が低下しているにも関わらず、これらの姿勢を保持できているのは

正しい姿勢を身体がしっかりと覚えていた証拠です。

 

 

毎回の施術で、鏡を見て正しい姿勢を身体で染み込ませていましたから

3週間寝たきりであっても自然と正しい姿勢を思い出してくれました。

 

 

 

②筋肉が無意識に正しい姿勢を意識できた

 

 

 

脳が正しい姿勢を意識出来ているだけでは、姿勢を安定させることはできません。

 

 

常に鏡を見て、正しい姿勢を意識してきたことで

そのために必要な筋肉が無意識に機能できるようになります。

 

 

脳からの指令を、姿勢を整えるために必要な筋肉がしっかりと理解し

姿勢を保てるわけですね。

 

 

以上の理由から

寝たきりで進行してしまう廃用症候群を予防するには

前もって『視覚的に』正しい姿勢を身体に染み込ませておくことが重要なのですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

寝たきりから起こる廃用症候群を予防するには

そうなる前に正しい姿勢を身体で覚えておくことが、とても大切です。

 

今回ご紹介した89歳のおばあちゃんのご家族は

3週間の入院の姿を見ていて、このまま動けるようにはならないのでは?!と

諦めていたようです。

 

でも、実際に回復されたお母様の姿を見て、感動して涙を流されていました。

これは、施術者である私が凄いのではありません。

 

正しい姿勢を、根気よく習慣づけてくれたおばあちゃんの勝利なのですよ。

 

皆さんも、今後のために

鏡を見て正しい姿勢を意識することから始めてはいかがでしょうか?

 

そうは言っても、正しい姿勢がわからない方が多いのではないでしょうか?

 

 

こちらのワークショップで、直接指導していますので、参加いただければと思います。

 

 

【健康的な姿勢づくりワークショップ】

https://jmtta.org/beautiful-posture/

 

 

 

参加されている方は、自分で姿勢を整えられるんだ!

毎回驚いてくださいます。

 

 

まずは、今の自分の姿勢を知り

いつでも自分で姿勢を正しく整えられるようになれたら良いですよね?

 

 

 

投稿者

川﨑 玄輝(かわさき げんき)

 

一般社団法人日本施術マイスター養成協会認定猫背矯正マイスター®

『美しい姿勢スペシャリスト』認定講座講師