医療の進歩に伴い、平均寿命が延びてきていることは、みなさんがご存知のことかと思います。
“病院の病床数が多いと、当然医療費はかかってしまいますが、病床数が多い分だけ手厚くより良い医療を受けられるから、当然平均寿命も延びてくる!!”
みなさんは、このようなイメージを持たれてはいないでしょうか????
ただ、いろいろと調べていると、衝撃的な事実が分かってきました!!
実は・・・・・・
病院の病床数が多ければ多いほど1人当たりの医療費は上がってしまうのですが、病床数を増やすことではなく減らしたとしても平均寿命は延びていたのです。
病床数を減少させたことが、平均寿命が延びないということに繋がってしまうのかと思っていたのですが、そうではなかったのです!!
むしろ、病院の病床数が少ないほうが、医療費の削減になるのでメリットの方が多くなってくるのかもしれませんね。
この理由について、詳しく説明しますね。
世界と比較!!日本の病床数ランキング1位!!
実は、日本の病床数は世界1位だということをご存知でしょうか????
WHO(世界保健機関)の調査結果がありますので、ご紹介しますね。
参考:世界・人口1千人あたりの病床数ランキング(WHO版)
http://top10.sakura.ne.jp/IBRD-SH-MED-BEDS-ZS.html
日本は人口1千人あたりの病床数は、13.70床で世界1位です。
画像では見えない下の方にランキングされているのですが、同じ先進国のイギリスは3.30床、アメリカは3.00床で、日本よりも圧倒的に病床数が少ないことが分かります。
しかも、いろいろと調べてみると世界の国々のほとんどは、50年ほど前から病床数を少しずつ減少しているのに日本はほとんど減少していないのです!!
ここでは割愛しますが、市場原理が関係しているのかもしれませんね。
*先ほどご紹介したリンクから、ほかの国々の病床数もご覧になると良いですよ。
日本の病床数と医療費の関係(都道府県別)
では、実際に、病床数が多いと1人当たりの入院医療費も高くなるのかについて見ていきましょう。
財務省の調査結果に分かりやすいものがありましたので、ご紹介しますね。
参考:財務省「病床数と入院医療費は相関、病床削減を」
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/638445/
上の画像をご覧ください。
まず、病床数を見ていきましょう。
人口10万人当たりの病床数は高知県が最多で2,522床、最少は神奈川県で810床でした。
高知県の病床数は、神奈川県の3.1倍だということが分かりますね!!
次に、1人当たりの入院医療費を見ていきましょう。
1人当たりの入院医療費の最大は高知県で34万円、最少は静岡県で19万円のようです。
高知県の1人当たりの入院医療費は、静岡県の1.8倍もあることが分かりますね!!
日本では病床数も1人当たりの入院医療費も、高知県が1番です。
これで、病床数が多ければ、医療費も比例して高くなってしまうことが、ご理解いただけたのではないでしょうか????
病床数・医療費と平均寿命は比例しない?!
先ほどは、病床数と医療費の関係について見ていきました。
病床数が多いことが平均寿命と相関関係にあるとすれば、高知県が都道府県で1位となっているわけですが、実際にはどうでしょうか????
2020年の厚生労働省の調査結果がありますので、こちらをご覧ください。
参考:2 都道府県別にみた平均余命―厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/tdfk15/dl/tdfk15-02.pdf
画像をご覧いただけると一目瞭然ですが、男性の平均寿命第一位は滋賀県、女性第一位は長野県という結果です。
高知県はというと・・・・・・
男性では37位、女性では26位という結果に?!
つまり・・・・・・
病床数がダントツに多いから、1人当たりの入院医療費もたくさん払っているからといって、それに比例して平均寿命も高くなるというわけでもないわけですね。
ここまで、ご理解いただけましたか????
医療崩壊が平均寿命を延ばす?!北海道夕張市から学ぶべきこと!!
ここで・・・・・・
2007年に、財政破綻になった北海道夕張市のお話をしたいと思います。
記憶に残っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この財政破綻をきっかけに、夕張市は医療崩壊し病院が閉鎖しました。
171床あった総合病院が、わずか19床の診療所となってしまったのです?!
*20床以上が病院、19床以下は診療所と医療法で決まっています。
それにも関わらず、病院閉鎖した2007年(平成19年)以降、人口は極端に減少していないのに死亡率も横ばいでをキープできているのです。
なぜ、病床数が大幅に減少したのに、死亡率が増加することがなかったのか?!
分かりやすい資料がありますので、ご紹介させてください。
参考:「財政破綻の夕張」で起きた地域医療の現実(東洋経済オンライン)
https://toyokeizai.net/articles/-/229314?page=2
南日本ヘルスリサーチラボの森田洋之医師の記事を、東洋経済オンラインで紹介されたものです。
森田洋之医師は、実際に夕張市で医療崩壊した2009年から2013年までの4年間を、夕張市立診療所で所長をされていた医師です。
当時の夕張市の医療状況を熟知されている医師だということです。
画像をご覧いただくと分かると思いますが、財政破綻でも夕張市民は減っていません。
つまり、高齢者とか重症者が市外に引っ越していったりしていないということです。
さらに、こちらの画像をご覧ください。
夕張市の死因を見てみると、病院閉鎖後は女性のガンは少しだけ増加しているものの、それ以外の心疾患・肺炎・男性のガンは減少傾向にあることが分かります。
171もあったはずの病床数が、わずか19床になったにも関わらずですよ。
これって、本当に凄いことだと思いませんか????
病床数が著しく減少したにもかかわらず、これらの心疾患が減少した秘訣について、記事を読み進めていくうちに「これだっ!!」と感じました。
それは・・・・・・
『在宅医療』
なぜなら・・・・・・
定期的な訪問診療や訪問看護や訪問介護等で、重症化する前に早めに気づけて対応できるということ。
一般的には、重症化して病院に行くので手遅れになってしまうケースが多いのですが、そうなる前に在宅医療なら、早めに手が打てるということなのです!!
わたしは普段、老人ホームなどを訪問して施術していますが、何か少しでも異変に気付いた時には、直ぐに施設担当者に報告するようにしています。
実際に、肺炎が重症化することなく助かった方もいらっしゃいます。
北海道夕張市の医療崩壊から学ぶべきことは、病床数を減少して在宅医療を重要視することかもしれません。
まとめ
最後に医療崩壊した北海道夕張市の例をあげました。
Dr.コトー診療所の世界のように、定期的に訪問してあげて身体の状態をチェックしてあげて、親身になってあげる事が、今後の日本には必要なのかもしれませんね。
病床数を減少することができれば、先ほどお伝えしたように医療費も削減できますよね?
削減できた医療費を在宅医療に当てることができれば、重症化や病死を減少できる可能性も高まります。
平均寿命だけでなく、介護を必要としない健康寿命をさらに延ばしていける可能性があると、わたしは考えています。
また、訪問医療に頼らずに自分で病気にならないための身体作りも重要になってきます。
わたしは、姿勢から自分で健康になる方法について、親身になってお伝えしています。
将来のために健康的な身体をつくっていきたいと考えている方は、参加してみてくださいね。
https://jmtta.org/beautiful-posture/
投稿者
川﨑玄輝(かわさきげんき)
一般社団法人日本施術マイスター養成協会認定猫背矯正マイスター®
『美しい姿勢スペシャリスト』認定講座講師